日々是総合政策No.84

自治体の多様性とリサイクル政策

 私の家がある地域では、決められたルールに従ってリサイクル物品をごみから分別し、ごみとリサイクル物品をそれぞれ決められた日にステーションに持って行く約束になっている。ステーションは住民らで共同管理されており、半年に一度位の頻度で、その管理を担当している。一回の担当期間は一週間だが、その間に時折困った事態に遭遇することがある。きちんと分別されていないごみやリサイクル物品が回収されずに、そのまま残されているのである。
 きちんと分別されていないごみやリサイクル物品が一旦捨てられてしまうと、それを誰が捨てたのかを確認することはできない。自治体は教育的指導の意味合いもかねて、敢えて分別の不徹底なごみを回収しないのだろうが、分別の不徹底に気づいて後で自分の出したごみを引き取りに来る人ばかりでなく、ステーションの管理者が自治体に連絡をして引き取りに来て貰うようお願いすることもある。結局のところ、リサイクルプログラムが適切に機能するかどうかは、住民が分別活動にどれ位協力してくれるかに依存する。
 自治体の廃棄物の分別状況を調べてみるとそこには大きな差異があることに気づく。燃えるごみと燃えないごみの区別程度しかしていない自治体がある一方で、何と30品目以上にも分けてリサイクル物品を回収している自治体もある。果たして、リサイクルは良いことなんだから、全ての自治体が分別の徹底を目指した方が良いのだろうか。
 ごみの分別には時間が必要なため、どの様なリサイクルプログラムを利用するかを考える際には、自治体に住んでいる住民がどれ位忙しいのか、どれ位厳しい時間制約に面しているのかを考慮しなければならない。例えば、一人暮らしの人は家事を他の家族と共同して行うことができないため、時間制約が強い。従って、一人暮らしの多い自治体では複雑なリサイクルプログラムを導入しない方が良い。導入したところで、結局失敗に終わる。家計の環境政策には住民の時間制約を考慮する必要がある。

(執筆:松本茂)

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