日々是総合政策 No.31

国の財政と地方の財政

 日本では,国と都道府県,市区町村からなる3層の政府によって公共部門が構成されている。都道府県と市区町村は地方公共団体と呼ばれ,国とともに多くの公共サービスを提供している。この国と地方の関係で,日本の政策過程の特徴は,多くの政策が国によって決定され,地方がその政策を実施するということにある。その理由を考えると,どうも日本人の平等感が根底にあるように思われる。どこに住んでいても,同じように学校教育や医療のサービスが受けられるような,平等な社会を日本人は望んでいるのではないだろうか。そのため,どこにいても等しくサービスが受けられるように,国が政策を全国一律に決定し,その実施を地方政府が担っている。
 ところで,この政策を行うためには,国は地方が政策を実施するための財源を確保する必要がある。国によって決められた,地方で提供すべき公共サービスの水準,すなわち標準的な財政需要(最近ではナショナル・スタンダードと呼ぶ)の財源を充たすため,国にとって地方全体での必要な額の財源を保障することが必要となる。この制度は,地方財政においてマクロでの財源保障制度と呼ばれている。毎年度の国と地方の予算過程で,地方の標準的な財政需要に見合う財源を確保し,不足の場合には地方財政対策によって財源保障がなされている。図1はその大まかなイメージであるが,左側に国の一般会計が,右側に地方全体の財政状況を示す地方財政計画が示されている。地方財政計画の歳出が上で述べた標準的な財政需要の大きさを表し,この地方財政計画歳出に見合う十分な財源を,国からの国庫支出金や地方交付税を含めて地方財政計画歳入で確保し,上で述べたように,どこに住んでいても同じようなサービスが受けられるようになっているのである。

図1 国の予算と地方財政計画(通常収支分)との関係(令和元年度当初)

出典 総務省ホームページ

(執筆:堀場勇夫)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA