日々是総合政策 No.26

人口減少のインパクト(3):地域別の人口減少(2)

 前回のコラムでは、地域別の人口減少について話を進めました。主に地方において人口減少が加速していくのに対して、東京都は2030年までは人口が増加すると予測され、2045年でも2015年段階よりも人口は多くなる予想されています。つまり、地方は「低出生+高齢化」によって人口減少が加速するのに加えて、「都市への流出」というもう一つの要因によって人口減少が加速していくことになるのです。
 前回、2015年から2045年の30年間で、一番人口減少数「数」が大きいのは大阪府で約150万人と書きました。大阪府の2015年段階での人口は884万人です。2045年には734万人になると予想されています。確かに減少数としては非常に大きいですが、2045年においても東京都に次いで2位の人口規模を誇ります。総人口に占める大阪府の人口割合は、2015年と2045年ではほぼ変化はありません(7%)。一方、人口減少「率」が一番大きい青森県(-47%)では、2015年段階での人口が131万人であるのに対して、2045年段階での人口が82万人まで減少します。
 ちなみに、2045年段階での総人口が最小となる都道府県は鳥取県で、約45万人と予想されます。この約45万人というのは、尼崎市の人口とほぼ等しい数字になります。鳥取県の面積は約3,500平方キロメートルであるのに対して、尼崎市の面積は約50平方キロメートルですので、人口密度は70分の1となるわけです。
 さて、総人口だけではなく、年齢別の人口も見ていきましょう。少子高齢化は地方においてより深刻であると言われています。実際に、2045年の高齢化率(人口に占める65歳以上人口の割合)が一番低いのが東京都で、30.7%と予想されています。この数字も十分に大きいのですが、2045年段階での高齢化率が最も大きい都道府県は秋田県で50.1%になります。この数字のインパクトは極めて大きく、県民の約半分が高齢者となるのが30年後の秋田県ということになります。

(執筆:中澤克佳)

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