日々是総合政策No.160

国公法の定年延長規定の適用範囲への疑問(上)

 この春、検察庁法と国家公務員法の解釈を変更して、東京高検検事長の定年延長を閣議決定で行ったことが、メディアや国会論議を賑わした。その解釈変更により、国家公務員法を適用して定年延長が可能となる範囲が、必ずしも明確になっていないように感じられるが、いかがだろうか。
 政府解釈は、検察庁法は国公法の60歳定年の例外として(検事総長65歳、検察官63歳)の定年を定める。検察官は一般職の国家公務員であり、勤務延長について一般法たる国家公務員法の規定が適用されるものと解釈し、定年を閣議決定で延長できるとし、定年延長を閣議決定した。その国家公務員法の規定は、第81条の3で、「任命権者は、定年に達した職員が前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において、その職員の職務の特殊性又はその職員の職務の遂行上の特別の事情からみてその退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるときは、同項の規定にかかわらず、その職員に係る定年退職日の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を定め、その職員を当該職務に従事させるため引き続いて勤務させることができる。」というものだ。
 関連して、検事総長等の役職定年制、定年延長を可能とする検察庁法改正案を含む国家公務員法改正案は廃案となったが、これに関わらず、政府解釈によれば、当然、現在でも、検事長だけでなく検事総長の定年も延長できると考えられるが、この点、そもそも確認されていないのではないだろうか。

(執筆:平嶋彰英)

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