日々是総合政策No.136

何も学ばない日本

 2月2日、中国浙江省温州市は、道路を封鎖し、住民の移動も制限し、外出は2日に1回、家族で1人だけが生活必需品の購入のために外出できるとした。この段階で新型コロナウィルス感染者は265人だった。4月10日段階で、温州市の累計感染者数は504人、うち503人が治癒し、死亡者は1名、現在の感染者数はゼロである(感染者のデータは、「丁香園・丁香医生」サイト、https://ncov.dxy.cn/ncovh5/view/pneumonia、に基づく)。
 ちなみに、温州市は、総面積が1万2,110平方キロメートル、人口は930万人である(温州市人民政府ウェブサイト情報)。面積は新潟県に、人口は神奈川県にほぼ等しい。2月14日、日本の外務省は温州市を渡航中止勧告地区とし、今も渡航中止勧告対象である。
 1月下旬、中国東北部の吉林省長春市は、道路を封鎖し、1月末から住民の移動を制限した。移動制限は温州市とほぼ同様で、車での移動は禁止、住居の出入りは厳重にチェックされ、身分証明書(居留証)を持参しないと外出できない。知人の先生は、この制限のために、ほぼ2か月間、外出しなかった。制限緩和後も、マスク持参は当たり前、できるだけ外出は自粛とのこと。
 4月10日段階で、長春市の累計感染者数は46人、うち45人が治癒し、死亡者はゼロ、現在の感染者数は1人である。ちなみに、長春市は、総面積が2万594平方キロメートル、戸籍総人口は751万人である(長春市人民政府ウェブサイト情報)。面積は岩手県の1.3倍強、人口は愛知県にほぼ等しい。
 4月7日、日本政府は緊急事態宣言を発令し、7都府県をその対象とし、不要不急の外出自粛を要請した。しかし、外出制限はなく、一部を除き、都会の通勤客が3密(密閉・密集・密接)電車で通勤する姿はあまり変わらず、公園では学校が休みで行き場のない親子が多数集まっている。そして感染者数は毎日増加し、終息の見通しが全く立たない中で国民は日々過ごしている。
 いまはどういう状況か。疎開、感染者・死亡者の増大、自宅に閉じこもるシェルター生活。そう、今はコロナとの戦争状態であり、IMF(国際通貨基金)の経済学者は正しく、戦争状態と位置づけ、戦時対策と戦後政策を提言している(https://www.imf.org/ja/News/Articles/2020/04/01/blog040120-economic-policies-for-the-covid-19-war)。1月中旬から武漢出身の学生との交信を皮切りに、感染症を追ってきた私からすると、日本は、中国から、世界から、大事な経済政策を何も学んでいない。(以上は私見です)

(執筆:谷口洋志)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA