研究プロジェクト「多文化共生社会の総合政策研究」第5回公開研究会「共生と共感」のお知らせ(12月19日開催)

総務省に「多文化共生の推進に関する研究会」が2005年6月に設置されてから、公共・地域の取り組みは14年以上が経過しました。2018年12月には外国人労働者受け入れのための新たな在留資格「特定技能」が創設され、あわせて「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」が策定されるなど、日本における多文化共生をめぐる状況は大きな変化の中にあります。

本研究プロジェクトでは日本の多文化共生の現状や課題を考えるべく、今回は「共生と共感」をテーマに公開研究会を行います。皆様のご参加をお待ちいたします。

日時:2020年12月19日(土)13:00~14:15

場所:オンライン

使用WEB会議サービス名:Zoom

プログラム

13:00~13:05 開会挨拶

 横山彰(中央大学名誉教授 総合政策フォーラム代表理事)

13:05~13:45 報告「共生と共感」

 横山彰(中央大学名誉教授 総合政策フォーラム代表理事)

13:45~14:15 質疑応答・討論

参加費:無料

参加申込こちらからお申込みください

(受付回答無し 先着40名)

申込締切:2020年12月16日(水)19:00

問い合わせ:上記申込フォームの自由記述欄にてお願いします。

*申込者には、12月17日に参加URLをお知らせします。

*返信までお時間をいただく場合があります。予めご了承ください。

以上

日々是総合政策No.191

結婚と離婚、そして緊急事態宣言(上)

 結婚と離婚。
 数ある決定の中でも、カップルにとって最も重大な決定と言ってよいだろう。COVID-19感染症の広がりは、人生にとって大事なこれらの決定に対しても影響を与えている。
厚生労働省「人口動態調査」によれば、結婚と離婚の届出件数は緊急事態宣言が出た時期に双方とも低下した。多くのカップルが、先の見通せない、まさに緊急事態の発生に結婚と離婚を踏みとどまった(あるいは先延ばしにした)のだ。
 このことをデータで確認してみよう。2020年4月7日に東京都を含む7都府県に対して新型インフルエンザ等特別措置法に基づく緊急事態宣言が行われた。その後、5月25日に宣言が解除されるまで東京を含む13都道府県が「特定警戒都道府県」に指定され、接触8割・出勤7割削減を目標にするなど、特に重点的に感染拡大防止の取り組みを進めていく地域とされてきた。
 そこで、これら13都道府県とそれ以外の地域に分けて、緊急事態宣言が出された2020年4月以降の6か月間の婚姻届出件数が、前年の同期間(2019年4月~9月)に比べて変化した割合を図にしてみた。あわせて、緊急事態宣言の影響を相対的に見るために、緊急事態宣言が出されていない2019年10月から2020年3月までの婚姻の届出件数の変化率を前年同期(2018年10月~2019年3月)と比べて示している。

図 婚姻届出件数の変化率(%)         
出所:厚生労働省『人口動態統計(人口動態調査(速報・月次))』

 これをみると、緊急事態宣言が出される前の半年、すなわち、2019年10月~2020年3月の婚姻件数は、いわゆる「令和婚」の影響もあり、前年同期に比べて特別警戒都道府県で9.5%、それ以外の地域で6.3%増えていた。それが、緊急事態宣言が出されて以降、一気に落ち込んだ。特定警戒都道府県において前年同期比で27.1%減、それ以外の地域でも24.5%減となった。(注)
 いかに多くのカップルが緊急事態宣言の影響を受けたかがわかるだろう。

(注)比較対象にしている2019年は改元の年にあたり、特に2019年5月にいわゆる「令和婚」現象が起きて婚姻届出件数を押し上げた。この点を考慮して、比較対象期間を2018年4月~9月にした場合も、特定警戒都道府県の方において減少幅が2%ポイント程度大きかったという点は変わらない。婚姻届出件数の変化率は、特定警戒都道府県で22.6%減、それ以外の地域で20.7%減少であった。

(執筆:小川光)