日々是総合政策No.64

人口減少のインパクト(5):人口減少の要因

 これまで,日本の人口減少について解説を行ってきました。今後50年間で約4,000万人の人口が減少していくという,すさまじい人口減少社会に突入していくことになります。また,人口減少のインパクトは地域ごとに異なります。主として地方部では,出生数の減少と高齢化がますます進行していくのに加えて,都市部への人口流出が進むことによって,人口減少は加速していきます。一方で,都市部での人口減少は相対的に緩やかであり,総人口に占める都市部の人口割合はさらに大きくなっていきます。
 ここまで述べてきたように,人口減少には「出生」,「死亡」,「移動」の3つの要素が関わってきます。死亡に関しては,高齢化の進展によって死亡者数が増加していきますので,人口減少の大きな要因となります。しかしながら,高齢化率も上昇し続けることを考えると,高齢者の増加よりも若年者の増加が少ない,つまり,生まれる子供の数が少ないことを意味しています。高齢者の増加による死亡者数の増加と,出生数の減少が人口減少を加速させているのです。
 なお,移動に関しては,日本全体で見たときには「どこかの地域の流出は別の地域の流入」となりますので,問題ありません。もちろん,これまで見てきたとおり,地域ごとで捉えた場合には「移動」の影響を無視することはできません。また,日本全体で見たときでも,海外への流出や,逆に日本への流入もありますので,そのような移動を考慮する必要もあるでしょう。現時点では,日本全体の人口に占める海外との「純移動」(流入-流出)は非常に小さいですが,今後は拡大していくことが予想されます。
 人口減少を食い止めるためには,①高齢者の死亡数を減少させること,②出生数を増加させること,③海外からの人口流入を増加させること,の3つが考えられることがわかります。このうち①に関しては,健康寿命の延伸など様々な対策が考えられますが,人は生きている以上,いつかは必ず亡くなりますので,人口減少という側面からは根本的な対策とはならないでしょう。また③については,移民政策として議論されるものになりますが,本稿ではひとまず除外します。次回以降では,②の出生数の増加について述べていきましょう。

(執筆:中澤克佳)

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