スウェーデンのSKVの活動(2)
今回は注1に基づき、SKV(課税庁)によるIDカード(日本のマイナンバーカードに該当)の交付を取りあげます。スウェーデンでの実際の生活では、IDカードによってPIN(マイナンバーに該当)の確認が為されます。
たとえば、銀行口座や証券口座の開設、クレジットカードでの取引、保険取引、賃貸住宅の契約、運転免許証の申請、新聞購読、レンタカーの使用、医療の受診、処方箋による薬の購入など、日常生活の多くの場面でIDカードの提示が求められます。また、IDカードは、民間や公共部門が提供しているe-サービスを利用するためのe-認定(認定とサイン)機能をも持ちます。
IDカードを申込む際にもSKVに出向きます。申込み資格は、13歳以上で原則住民登録をした人(日本は0歳から-注2より)です。SKVに、本人証明書(パスポートや運転免許証等)を持参し申込みます。その際、身長の測定と顔写真の撮影をなされます。成人では身長があまり変化しないからでしょう。なお、18歳未満の申込者は申込みについて保護者の許可を、さらに申込みに際し保護者1名の付添いを求められます。またIDカードの発行は有料で400クローナ(最近のレート、1クローナ=約13円で5200円)かかります。マイナンバーカード(以下、マイカードと表記)は無料です。高福祉国家は「がっちり」しています。
申込みが認定されると、SKVから登録した住所にその旨を知らせる通知が送られ、申込み者はその通知をSKVに持参しIDカードを受取ります。IDカードの有効期間は5年(日本は20歳以上が10年、20歳未満は5年-注2より)です。
IDカードとマイカードの共通点は、顔写真・氏名・生年月日・性別・有効期限がカードの表に表示されている点です。異なるのは、①IDカードでは写真が大小三つ、マイカードでは写真が一つ表示②PINはIDカードの表に、マイナンバーはマイカードの裏面に表示、③IDカードのみに身長・氏名のサインが表示④IDカードに住所表示がなく、マイカードには表に住所が表示され、⑤マイカードのみに、表に臓器提供意思の署名欄がある点です。
筆者は概ねIDカードの方が厳格に作成されていると思いますが、皆さんの感想はいかがですか?
注
1.SKV URL
https://www.skatteverket.se/download/18.1927c51b15e7ee438722ae9/1561977558450/identitetskort-for-folkbokforda-i-sverige-skv720-utgava06.pdf
2.総務省URL
https://www.soumu.go.jp/kojinbango_card/03.html
最終アクセスはともに2021年7月5日。
(執筆:馬場 義久)