【研究プロジェクト・テーマ】
和文:人口動態の変化と地方政府の持続可能性
英文:Demographic change and sustainability of local governments
【プロジェクト・リーダー】
中澤克佳(東洋大学経済学部教授、一般社団法人総合政策フォーラム理事)
【研究プロジェクトの趣旨】
本プロジェクトの目的は、①地域内・地域間の人口動態の変化(出生・死亡・移動)を定量的に整理・把握すること、②それを踏まえて地方政府(特に基礎的自治体)の持続可能性を検討すること、の2点である。
少子高齢化と人口減少の一層の進展が確実なわが国において、人口動態の変化を適切に踏まえていく必要がある。特に本プロジェクトでは、人々の移動に注目し、「誰が」「どこから」「どこへ」移動しているのかを定量的に把握することを第一の目的とする。移動の把握については、主に国勢調査の市区町村間移動データを用いて、年齢別・性別ごとに地域内・地域間の移動傾向を把握する。また、メッシュデータとGISを用いて、地域内移動をより詳細に把握する。
どのような人々が、どこへ移動しているのかを把握することは、今後の地方財政や基礎的自治体のあり方を考慮する上で極めて重要である。人口減少と財政制約を背景に、市町村合併、コンパクトシティ、都市間連携などが議論されてきているが、その効果や可能性を議論する上でも、人口動態の長期的かつ定量的な把握が不可欠である。
本プロジェクトでは、人々の移動を中心とした人口動態の変化を把握した上で、基礎的自治体を中心とした今後の地方政府のあり方について議論していきたい。
【研究プロジェクトの内容】
(1)代表的な先行研究
中澤克佳「介護移住に性差は存在するのか-男女別・年齢階層別の実証分析-」会計検査研究 (58):35-49、2018年9月。
中澤克佳「高齢者の社会動態と介護保険制度」社会保障研究 2(2・3):332-348、2017年12月。
中澤克佳・小松真治「高齢者の都道府県間移動―国勢調査データを用いた考察―」経済論集(東洋大学経済学部)42(1) :93-105、2016年12月。
(2)研究手法
国勢調査に基づく人口移動データの整備と共有を行い、それに基づいて各自が研究・議論を進めていきたい。
【研究プロジェクト参加の方法】
本プロジェクトでは、以下の研究活動に興味がある方々の参加を希望しています。
①人口移動や人口動態に関する統計データを用いた定量的な研究を通じて、英文および邦文査読誌への論文掲載を目指す。単著および共著での研究プロジェクトの遂行。
②自治体や病院・社会福祉施設等へのアンケートやヒアリングを通じて、人口移動の実態や影響を把握し、まとめるプロジェクト。特にヒアリング先に関して何らかの伝手をお持ちの方を歓迎します。
③研究会や討論会への参加。
本研究プロジェクトへの参加を希望される方は、下記フォームにてお申込みください。
【研究プロジェクトの研究会日程】
参加メンバーが確定後、メンバーの皆さんに改めてご連絡します。