【研究プロジェクト・テーマ】
和文：途上国における電力価格政策の集積分析
英文：Bunching analysis of retail electricity pricing in developing countries
【プロジェクト・リーダー】
後藤大策（広島大学大学院国際協力研究科准教授、一般社団法人総合政策フォーラム理事）
【研究プロジェクトの趣旨】
途上国の家計電力消費データを用いて，不連続な電力価格設定に対する家計の電力消費行動を集積分析によって明らかにする．不連続な価格設定に対して，理論上存在するはずのbunching (集積)が，これまで先進国（米国）では確認されていない (Ito, 2014)．そこで本研究では，途上国の家計電力消費データを用いてbunching の存在を確認し，電力の限界価格の不連続なジャンプに対する家計行動の反応と政策的含意を得る．
既に研究活動を開始しており，予備的結果として以下を得ている．
1. Increasing-block price (IBP) structureを持つ途上国Aでは，特定の価格不連続ポイントで集積効果が確認できる．
2. その集積効果は，料金支払い方法（プリペイド・ポストペイド）にも依存する.
3. IBPの変更は，集積効果を一時的に消去する可能性がある.
なお本研究プロジェクトは英語を公用語として用いる．
【研究プロジェクトの内容】
(1)代表的な先行研究
[1] Ito, K. (2014). Do Consumers Respond to Marginal or Average Price? Evidence from Nonlinear Electricity Pricing. American Economic Review, 104, 537–563.
[2] Saez, E. (2010). Do Taxpayers Bunch at Kink Points? American Economic Journal: Economic Policy, 110(2), 185–214.
[3] Chetty, R., Friedman, J. N., Olsen, T., & Pistaferri, L. (2011). Adjustment Costs, Firm Responses, and Micro vs. Macro Labor Supply Elasticities: Evidence from Danish Tax Records. The Quarterly Journal of Economics, 126(2), 749–804．
(2)研究手法
Estimation of Bunching in Distributions
Kleven, H. (2016). Bunching. Annual Review of Economics, 8, 435–464.
【研究プロジェクト参加の方法】
以下の2通りの参加方法があります．
- プロジェクト・メンバー：（共同）研究成果を出すことに対する貢献を求めます．研究会で分析，報告，討論をしていただきます．
- プロジェクト・オブザーバー：研究会に自由に参加し，質問やコメントができます．
本プロジェクトにプロジェクト・メンバーとして参加を希望される方は，下記フォームにてお申込みください。但し，本プロジェクトはプロジェクト・リーダーの判断で参加できない場合もあります点，ご理解ください．
【研究プロジェクトの研究会日程】
プロジェクト・メンバーが確定後、皆さんに改めてご連絡します。